よくテレビで紹介される洞窟のお風呂といえばどこでしょう?
天井そのものが大岩窟で向こうが海の迫力がすごいお風呂。
太平洋の荒波、朝風呂なら日の出。夜なら海に浮かぶお月様。
それはホテル浦島の「忘帰洞」。
奥行50メートル、高さ15メートルという自然の大洞窟に温泉が湧いているのです。

その名前の由来は大正時代にさかのぼります。紀州藩の徳川頼綸公がこの南紀勝浦温泉に来られ、このお風呂にはいられました。
帰りには「帰るのを忘れさせるほど心地よいわい」と言ってこの名前をつけたのだとか。

そもそもこの洞窟風呂の歴史はそんなものではありません。

遠くは平安時代。
熊野詣では当時から盛んで、京都の貴族たちが熊野三山に参詣してからこの温泉に浸かり、疲れを癒すというのがお決まりだったとか。

太平記の時代、南北朝時代にも、文献にこの洞窟風呂の記載があるそうです。